おめでとう≠フ後ろに100の言葉をかくして
定番フレーズ
まったくどうしたものか.
リーバーは恋人を前に溜め息をつきたくなった.
いつものように笑っているのでもなく、泣いているのでもない.
そのどちらかならばリーバーにも対応できたのだが、
しいていえば怒っているような、それでいて泣き出しそうな、初めて見る表情に戸惑ってしまう.
しかもそんな顔をさせているのが自分であれば尚更だ.
目の前のアレンは口を開く様子をみせず、察する術のないリーバーはお手上げだった.
「アレン…?」
かける言葉が思い浮かばないまま、少しでも近づくように抱きしめた.
ずるい方法であるのは承知の上だ.
コトンと肩に乗せられた額の重みに安堵しつつ彼の言葉を待つ.
「どうして教えてくれなかったんですか.」
「いや、俺だって忘れてたし、誕生日祝う歳でもないし….」
恨めしそうに見上げてくる灰色の瞳が次第に潤む.
どうにも罪悪感に駆られて、けれど何を言えばいいかわからない.
「…わるい.」
こんな顔をさせるつもりはなかったのだ.
不貞腐れたまましがみついているアレンの髪を撫でる.
「リーバーさんはずるいです.」
意外な反応に顔を覗きこむ.
いつも僕は与えられるばかりで、
かける言葉も、抱きしめる腕も、髪を撫でる手も、僕が望んでいるのを見透かすように優しくて.
「僕だってリーバーさんを喜ばせてあげたい.」
いつも気持ちばかり積もって伝えられないけれど、きっかけさえあれば伝えられる気がした.
「な、なんで笑うんですか.」
「くっ、随分可愛いこと言うなと思って…、」
「…っ、」
急に恥ずかしさが込み上げて顔を上げてられない.
「嬉しいよ、アレン.」
優しい指先が、ほら、また髪を撫でる.
言ったそばから与えられてしまっている.
何気なく触れる指先がこんなにも愛しいんだって、どうして伝えられないのだろう.
今はまだ背中に腕を回すくらいしかできないけれど….
「お誕生日おめでとうございます.」
班長Happy Birthday!
誕生日っぽくないうえに分かりにくい文ですみません;
思うように表現できない自分の文才が切ないです…
09.09.08